2011年7月9日土曜日

パウル・クレー展


授業で、東京国立近代美術館へパウル・クレー展を観に行きました。
(後日、レポート2000字以上を提出)

この展示会では、彼の作品をそれぞれ「物理的にどのように作られたのか」という点に着目して構成されていました。

(左)ドクター・バルトロ
(右)バルトロ:復習だ、おお!復習だ!


上記2点は、『写して/塗って/写して(油彩転写の作品)』というプロセスにあたる作品のひとつです。

これは、クレーが独自に生み出した技法『油彩転写』で、
鉛筆やインクで描いた素描を、黒い油絵の具を塗った紙の上に置き、描線を針でなぞって転写した後、水彩絵の具で着彩するという技法です。


(左)附近の風景
(右)卵のある


こちらは、プロセス『切って/回して/貼って(切断・再構成の作品)』。
描きあげた絵を切断し、断片の上下を反転させたり、左右を入れ替えたりして新たに画面を再構成するという方法です。


(左)なおしている
(右)マネキン


プロセス『切って/分けて/貼って(切断・分離の作品)』。
前述と異なる点は2つ以上に分解した絵を再構成することなく、それぞれ独立した作品としたことです。


(左)調整された豊穣
(右)無題


プロセス『おもて/うら/おもて(両面の作品)』。
こちらは近年発見されたプロセスで、左と右の絵は一枚の紙の裏表に描かれているものです。
クレーの作品の多くが作品の裏面に何かが記載されていたり描かれており、赤外線撮影などで近年になってその存在が明らかとなりました。

そこで、こちらでは作品の表と裏の関係を検証することで、絵画が二次元的だけでなく三次元的な存在でもありうる可能性を紹介しています。




他、アトリエの写真や作品の中でも「特別クラス」と位置づけ、クレーが売らずに手元に置き続けた作品群もありました!


(小館シュレーヌ、ヴェルネク通り1番地、ミュンヘン1920)


クレーは5つものアトリエを所有していたそうです!

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